関西を拠点にご活躍の陶芸家anna terada 使うもの手に触れるものをつくりたいという想いから出来る作品は、柔らかく優しい色合いが印象的な温もりある陶器です。

 
色や形で遊ぶように日常をちょっと特別で楽しくしてくれる
陶磁器のうつわや小物たち。
ときめく感覚を大切にする若さあふれる注目ブランド。

関西を拠点にご活躍のpotter寺田安那さんに、陶芸の道に進むきっかけや、想い、インスピレーションについて伺いました。

【インタビュイー:Anna Terada インタビュアー:Michiyo Yoshinari】

_この度はOomoへのご参加ありがとうございます。とても嬉しいです!
初めてお会いした時、アンナさんはとてもカラフルなお洋服だったのを覚えています。 私も色やファッションが大好きなのですが、ファッションと陶芸、リンクする事ってありますか?

対面で作品を販売・展示するときは、その世界観に合わせてカラフルな色の服を選ぶことが多いです。
場面や気分に合わせて洋服の組み合わせを決めるように、うつわも、のせる食べ物やその日の気分でどのように組み合わせるか考えるのが楽しいな、と思っています。

_ご自身のお名前をブランド名にされたanna terada。流れるようなロゴが素敵。富士山のような、山のような感じがしたのですが。

このロゴが完成した当時は、縁起物をモチーフにしたアクセサリーを制作していました。
それもあって富士山を思わせるロゴになりました。そこにAnnaのアルファベットが組み合わさっています。

_ここからは、学生時代にthrowback。高校1年生の時に、ものづくりの道に進むことを決められたそうですね。
そこから「陶芸」を選ばれたのには、何かきっかけがありましたか?

美術の授業や絵の予備校で作品を作るうちに、鑑賞される作品だけでなく、使うもの・手に触れるものを作ることもできる工芸に魅力を感じるようになりました。
進学した大学では、1年生で陶芸・染織・漆芸を一通り体験してから専攻を選ぶことができ、最終的に陶芸を選びました。
受験期に陶芸家ルーシーリーの展示を見にいったことも自分にとって陶芸を選ぶ大きなきっかけだったと思います。

_大学で4年間陶磁器を専攻されて、一番思い出深いご自身の作品、エピソードはありますか?

卒業制作の陶器のボタンです。
大学の傾向としては、大きなオブジェを作る人が多かった中、私は小さな陶器のボタンを制作しました。
授業ではオブジェを作ることもありましたが、使うものを作りたいという気持ちと、陶芸を選ぶきっかけになったルーシーリーも制作していたということから、卒業制作に選びました。
作品展では大きな作品が並ぶ中、小さい陶器のボタンを展示しました。
目立たないし、まだまだ納得いくものではなかったのですが、今の活動に繋がる作品になったと思います。

_陶器のボタン、見てみたいです!これから新たに作られるかもしれませんね。
さて、私は、陶芸といえば素人目線でまずは轆轤(ロクロ)を連想します。
個人的な興味なのですが、ロクロを回しているときは何を考えますか? これから出来上がる作品を想像しながらですかね。変な質問ですみません。(音楽など聴かれながら回すのでしょうか)

何か考えているというよりは、音楽を聴いたり、好きな芸人さんのYouTubeを聴きながら、無心でロクロをしていることが多いかなと思います。

_コロナ禍でのブランドスタート。色々な葛藤や決心がおありになったかと思います。
今の想いをお聞かせ下さい。

本格的に本腰を入れて活動を始めたのが、2020年です。
コロナ禍ということで、出店予定だったイベントが無くなったりと不安もありましたが、少しずつ関わってくださる方も多くなり、イベントに呼んでいただけることも増えてきました。
作家としてまだまだなところも沢山ありますが、高校時代の同級生が会いに来てくれたり、作家同士で情報交換したり、何度も足を運んで下さる方がいたりと嬉しい出会いもあり、イベントを楽しめるようになってきています。

_anna terada のファンが着実に増えていますね。
ここからは現在の作品について伺います。デザインや発想はどんな時に生まれますか。

仕事をしている時だったり、ご飯を食べている時だったり、眠る直前だったり。。
この瞬間というのは無くて、ふと急にアイデアが浮かぶことが多いです。

_作品を作られるときに、特にこだわっていること、大切にされていることは何でしょう。

ときめく感覚は大切にしています。
かわいい!とか、いいね!と、まず自分が感じられて、初めて人にもそれが伝わるんじゃないかなと思っています。

_土から人の手で器が生まれる。陶芸とは改めて考えるとシンプルながら歴史とロマンを感じます。
陶芸をされていて、一番難しい・楽しいのはどのような所でしょうか?

一番難しいのは、釜の蓋を開けてみるまで完成しているか分からないところです。
どんなに丁寧に作ったとしても、最後は12時間くらい自分の手から離れて、焼くという工程を経て完成するので、思うように出来上がらないことが何度もあります。
反対に、思ってもみない結果で焼き上がり新たな発見をすることもあるので、焼くという工程は楽しくもあると思います。

_半磁土という素材をお使いですが、どんな特徴がありますか。

陶器の柔らかい雰囲気と、磁器の硬い質感の両方を兼ね備えていると思います。

_さて、作品を見たときに最初に感じるのは、優しくて柔らかい、可愛い色味です。
このアンナカラー(勝手に)は、どのようにしてうまれたのでしょうか?

アジアで使われているメラミン食器のようないい意味でチープでポップなカラーリングが好きで、取り入れています。
陶器の質感と合わさることで、チープすぎなくてポップすぎない絶妙なバランスになっていると思います。

_カラフルな作品をつくられるアンナさんに敢えて伺います。 1番好きなカラーは?

1番を決めるのは難しいですが、あえて一つ決めるのであれば赤かなと思います。
モノトーンの服装に、差し色で赤い靴下を履いたり、無意識に気づくと赤色のアイテムを手にしていることが多いです。

_今回お取扱いさせていただく、ぷっくりとした手の置物。
手の置物は他にも見ることがありますが、anna teradaの「otete」は、とってもキュートで眺めていたくなります。
この手にはモデルがあるのでしょうか?

特定のモデルはいないのですが、子供の手をモチーフにしています。
仏様のような手の仕草も合わさって、愛でたくなる作品になりました。

_最後に、ご自身について少し伺いたいと思います。
陶芸意外に好きな事、熱中していること、ありますか?

趣味は今模索中です笑。
なので、いろいろ気になることはやってみています!
物づくりの延長で料理やお菓子作りをしたり、周りに音楽好きな人が多いので色んなアーティストを教えてもらって、聴いてみて、今まで知らなかった音楽を楽しんだりもしています。

_ずばり、ご自身のストレス発散法は何でしょう?

おいしいものを食べることです!

_映画は観ますか?好きな映画がありましたら教えて下さい。映画の中の食器などに目がいってしまいますか。

おすすめされたものや、ふと気になったものを時々見ています。
最近で印象に残っているのは、ファンタスティックプラネットです。
色彩がすごく好みだったのと、絵やストーリーがなかなか衝撃的だったので印象に残っています。
映画の中だと食器というよりも、その上の食べ物がおいしそうだなあと思ってしまうことが多いです笑。

_フランス映画ですね、アーティスティックなアンナさんならでは!そして、食べることが大好きなのですね。
若さとエネルギーあふれるアンナさん、将来の夢をお聞かせ下さい。

使うものを作りたいと思って、うつわやアクセサリーを中心に作ってきましたが、最近はオブジェやインスタレーションの作品にも興味が出てきているので、取り組んでみようと思っています。
興味のあることは陶芸に限らず積極的にやってみて、自分の作品にいかしていきたいです。
まだ明確な将来の姿は描けていないのですが、好きなことを楽しく続けていきたいとはずっと思っています。まずは目の前のことに一生懸命取り組んでいきたいと思っています!

大学時代とは逆に、オブジェやインスタレーションの大きいものにも魅かれてきたとは、今後の作品もまた楽しみで仕方ありません!

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Profile

Potter / 寺田 安那

‣大阪生まれ。
‣京都市立芸術大学陶磁器専攻卒業。
‣2020年より、百貨店やイベントでの展示・販売を積極的に開始。
‣2022年、京都cozyca products HIRAETH『Hyvä!!』(個展)開催。
うつわ・花器・アクセサリーの他にインスタレーションの作品も制作・展示。

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